こんにちは、なんちゃってバリ嫁のなおみです。
皆さんはバリ人の儀式をご覧になったことはありますか?
華やかなクバヤを着た参列者たち、行列をなして進む葬儀、地鎮祭や誕生祭と沢山の儀式があります。
それ程沢山あちこちで行われる儀式、
もしかしたらガイドさんに教えてもらって見学したり、
旅行の合間に観る事も有るでしょう。
★私の体験談★
昔ウブドに宿泊中、大きな葬儀の飾りをつくる集団を見かけました。
朝には骨組みだったのに、夕方には金ぴかのお葬式の飾りになっていて、規模の大きさに驚きました。
と、話は逸れましたが、今後もし”突然ご招待された” なんて時の参考に、
また、バリ人のパートナーがいらっしゃる方など
日本とどんな風に違うのか、どうするべきなのか?をまとめました。
観光ではわからない、バリ式の常識マナーや「ご挨拶」についてご紹介します。
儀式前に訪問する意味
バリ島の儀式では冠婚葬祭以外にも沢山の儀式があり、その都度、儀式当日より前に直接主賓の家に訪問します。
日本でそれをしたら、「え~直接行くの?」とびっくりされるどころか、
迷惑?ですよね。
でも訪問するのには意味があるんです。
一番は、 実際に顔を合わせて日程を確認するというもの。
バリ島の儀式は日本のように、決まった時間だけ行うのではなく、
前後日程にも準備や片付けなど、沢山の人手が必要なんです。
いつ手伝うのか、いつ参加するのか、
もちろん個人のスケジュールにもよりますが、
時間のある限り参加するほうが良いとされているので、みんな頑張っているんです!
もし仮に皆さんが参加されても、気負うことは在りません。
参列していることに意義があるんです。
また日程以外にも、
★ 今後の儀式の流れを確認
★ 当日着る服の色ドレスコードの確認(有無など)
★ 結婚相手の方の情報を知る(出身、仕事など)
という具合に新しく増えた親戚と「今後ともよろしくね」といった挨拶が行われます。
協力体制であるアピールの意味も含め、重要な情報交換のタイミングでもあるんです。
葬儀の場合でも…
世間話や笑い声が聞こえてきても、不躾ではなく、
その場にいる事で、お悔やみの気持ちを共感しているとみなされます。
故人の思い出を語ったり、慰めたり、病気だったのか、どんな最後を過ごされたのかを聞いたりもします。
その点随分日本と違いますよね…。
ご挨拶には誰と何時に?
基本的にご挨拶は夕方が一般的です。
私の場合大家族なので、近所の親族と時間を合わせてグループになって行く場合も多く、その場合
4時から5時の間に出発することが一番多く、仕事で無理な場合、夜に夫婦だけで伺う事も有ります。
儀式当日を避けて事前に訪問するのがマナーで
そのために主賓家族は、おもてなしの用意をしてスタンバイしています。
葬儀のプロセスについて知りたい方は下記の記事でご紹介しています。
ご挨拶の方法
専用の入れ物に贈り物を持って訪問します。
その際使うのが、ボコルやクバンと呼ばれるご挨拶時専用のお盆
左がボコル、右がクバン
これ、バリ嫁なら必ず持っている品。
間柄や儀式の目的によっても使いわけたりします。
これらは、市場やティアラデワタのような大型スーパーでも売っているので
記念のお土産に欲しい方でも購入できますよ。
バリ島でこれを持っていたら
とても良くバリのことを知っている方のような雰囲気が出ます!
ではこれに入れる中身をご紹介しましょう。
贈答品の中身は何?
儀式の種類によって内容が少し違います。
儀式の種類 | 必ず用意する物 | その他 |
結婚式の場合 | 米、コーヒー、砂糖 | プレゼント(主に衣装クバヤ用の布やバティックなどの腰巻布が主) |
葬儀の場合 | 米、コーヒー、砂糖 | 白い布(長さは自由最低2~3m、親しい場合1ロール) |
誕生祭やその他儀式 | コーヒー、砂糖 | お線香やアラッブラムと呼ばれるお祈りの後に使う液体 |
共通の品の量は基本、米2キロ、砂糖2~3キロ、コーヒー500gがスタンダードで
バリコーヒーが多いのですが、最近ではインスタントのコーヒーを選ぶ方も増えました。
葬儀の際によく使う白いカット布を包んだ状態。
昔は新聞紙で包むものでしたが、今は新聞を読む人が減って、茶色い紙になりました。
お祝いの品は?
★結婚式やポトンギギ(成人式的な)場合
・クバヤ用のカットレース
・バティックやウンドックと呼ばれる種類の布
誰でも使えるような素材を選びます。
★赤ちゃん用の儀式の場合
・洋服
・おもちゃ
といった誕生日と同じような内容です。
個人的に親しい場合や、プレゼントを買う時間が無かった場合、封筒に入れた現金の場合もあります。
日本の様に専用の封筒は無いので、普通の無地で大きさも特に決まりはありません。
ご挨拶品の渡し方
到着時に、主賓家族に受け渡しますが、
そのまま席に案内されたら、近くのガゼボやテーブルに置いておいて、帰る前に受け取ってもらいます。
結婚式当日の場合は、受付で器ごと渡して番号シールをもらいます。
帰りにそのシールを見せて器を返してもらいます。
お祝い金の場合、主賓の方に手渡すほうが確実ですが、
受付にある専用箱に入れてもOK。
その場合、特に名前を書かなくてもマナー違反ではありません。
贈物はどうなるの?
届いた品は、保管したり儀式の際に使いますが、
使い切れない分は儀式が終わった後に、近い親戚に配ったりします。
賞味期限に関係ない白い布は、保管して使いまわしたり
売って現金化する人もいます。
外国人や観光客が儀式に参加される場合は、どんなものでも問題ないので、
結婚式ならワインや食器など自分らしい品や現金を選べば大丈夫です。
お祝い金の場合、通常はシンプルな白封筒に入れますが、日本式の義祝儀袋を使うという方もいて
日本らしくて喜ばれそうですね~
私の失敗談
儀式の当日夫に同行する形で親戚の家新築の儀式に参加したのですが、
当日親戚とは現地集合、私はウッカリ手ぶらで参列してしまい、
到着して
「はっ!」
と気づいた時には遅し…。
幸い?沢山の人が家に入るタイミングだったので、
目立たずにそのまま参列して帰宅したのですが、
なんとも恥ずかしく終始落ち着かない気分でした。
因みに、このご挨拶の品を持参するのは、女性の役目
男性は手ぶらで参列が普通です。
だから忘れたんですが…。
なので男性がこの贈答品をもって参列すると、ちょっとびっくりされるので、
男性の場合、パートナーが参列しない場合は、
現金かプレゼントだけで気持を伝えれば大丈夫です。
最後に
このように、儀式の前のご挨拶は、
大変な伝統行事を共に支えあう生活の知恵で
バリ人の生活に無くてはならないマナーになっています。
日本に比べて親戚付き合いが多いバリヒンドゥの儀式の裏側で
こんな事をしているのよ!と言う事を知って頂ければ幸いです。
ここではデンパサールでの様子をご紹介しましたが、
地域によっては卵があったり送る品が違う事も有ります。
とはいえ、伝統の一部はしっかり残っていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。