私は、海外バリ島で3人の子供を学校に通わせ、子育てをしてきました。
結婚当初は、全くバリ島の学校の仕組みが分からず色々戸惑ったので、どんな点が日本と違うのか?
どんな事を知っておけば良かったと思ったのか?
もしかしたら、これからバリ島の学校にお子さんを通わせる可能性がある方に向けて、
インドネシア独特の学校にまつわる特徴をご紹介します。
学年の仕組み
インドネシアの学校制度は、日本と同じ6・3・3の12年。
年度末は6月半ばで、新学期が7月半ばなので、約1ヵ月休みがあります。
6.7月の両方の月に登校日があるため、月謝は二か月分請求されるんです!
プレイグループや託児所もあり、中学までが義務教育ですが
、小学生から留年する可能性もあり、中学・高校・大学と受験があります。
2021年現在、大学進学率は増す傾向にあり、大学院卒業を目指す人も増えていますが、
それは都会での話。田舎では経済的に大変で高校も卒業せず大人になった人も中にはいます。
(↑実際、我が家の義母のお手伝いさんがそうです)
また、以前は、土曜日も授業がありましたが、近年は、土・日が休みになり、
7月から12月と1月から6月の前期・後期で、学期ごとにテストがある仕組みです。
入学式と卒業式が無い?
一部のインターナショナルスクールなどを除き、小、中学校には「入学式」や「卒業式」がありません。
なんともゆるく始まり、ゆるく終わるのです。
一方、高校と大学は盛大で高校の最終登校日は、制服にスプレーやマジックで派手な落書きをしあい大事に保管したりします。
また以前は、着飾って派手なパーティを開催するのが恒例でしたが、ジョコウィ大統領が就任し、派手なお祝いが禁止されました。
生徒にとってはおめかしをして騒ぐパーティーがなく残念そうですが、
一方、行うと費用もかかるため、経済的に助かると受け止める人も大勢います。
大学の場合は学校で卒業式が行われますが、コロナ以降オンラインで行う学校が増えています。
朝早い
年中暑い気候のインドネシアの学校は、始業時間が日本よりかなり早いんです。
朝は6時半から、遅い学校でも7時なので、早起きが必須!
涼しい間に移動するのは良いのですが、お弁当がいる場合は大変。
また、学校によっては生徒数が多く、午前クラスと午後クラスに分けるので、
午後クラスの場合、暑い時間帯に始まるので送迎も別の意味で大変だったりします。
ですが一度決められるとその学年の間は変更できないので仕方ない状態になります。
学年によって違いますが、小学校低学年の間は、長くても半日。
私立幼稚園の場合だと、8時-10時の2時間だけの場合もあり、あっと言う間にお迎え時間になります。
暑い国なので集中できる時間も限られているので理にかなった仕組みと言えますね。
通学・送迎の仕組み
バリ島では、子供が就学すると親は送迎で忙しくなります。
インターナショナルスクールには、送迎バスを利用する学校もありますが、ごく一部。
日本のような集団登校がないので、登下校の時間は、学校周辺は送迎者やバイクで渋滞が発生します。
また下校は、校庭付近で待つ我が子を見つけて親(送迎担当者)が連れて帰る仕組みです。
学校によっては厳しく管理されていて、例えばデンパサールのCipta Darma チプタダルマ(私立)は、
下校時、生徒は校内で待機、事前に申請した人以外が迎えに行っても連れて帰れないというセキュリティ面がしっかりした学校もあります。
私の子供が通っていた小学校 Kuncup Bunngaクンチュッブンガ(私立)は、そこまで厳しくないのですが、
門には必ずセキュリティがいて、迎えに来た親のバイクや車の誘導をしたりしていました。
学校で待機する親
幼稚園は2~3時間だけの学校もあるので、”学校で親が待つ”姿を良く見ます。
躾的にどうなの?と思うかもしれませんが、自宅まで往復するには中途半端な時間!という場合、
終わるまで待つという人もいるんです。
でも、園内や校内にはワルンのような売店があり、ママ友と井戸端会議や
自分のビジネス製品をセールスしたり買ったり情報交換の場としても活用されていました。
また、近くの屋台やカフェでお茶する人もいましたが、コロナ以降はオンライン授業が増えその様子も見られなくなりました。
給食が無い
ほとんどの学校には給食制度がなく、お弁当持参です。
忙しいママは、道端のナシクニン屋さんにお弁当箱を持って行き、
中身を詰めてもらい持たせる人もいますし、もちろん手作り弁当の人もいます。
また、校内に購買部があるので、子供たちは毎日お小遣いを持って学校に行くのが当たり前。
子供は自由に買い物ができるので、”おやつを買ってしまう” という悩みもあります。
制服の種類
制服の種類が多曜日ごとに制服の色が決まっていて、とにかく種類が多いです!
国で定められた民族衣装を着る木曜日や、体操服を含めると、ほぼ毎日違います。
暑い国なので、毎日洗えて良いのですが、曜日を間違えると大変です。(←経験者(笑)
月・火曜>赤い半ズボン・スカートと白いシャツ
水曜>青い半ズボン・スカートと白いシャツ
木曜>各自の宗教に併せた民族衣装
金曜>茶色の半ズボン・スカートに薄茶色のシャツ
*私立の場合はチェック柄など独自の制服だったり”少し可愛い” のは日本と似ていますよ。
中学や高校になると男子は薄いグレーやネイビーの長ズボンになります。
ジャケットもありますが、暑い国なので、ほとんど着る事はありません。
因みにバリ島にはセーラー服の学校はありません。
学費について
学校の種類は主に2つあり
” NEGRI ” ヌグリ と呼ばれる公立
” SUASTA ” スアスタ と呼ばれる私立があります。
公立の学校の方が私立に比べて月謝が安いので、希望者が多く人気です。
公立だと、毎月千円未満程度に対して、私立の場合、月に4~8千円が平均的な金額。
また、インターナショナルスクールだと月数万円と、桁が違います。
教科書や制服も買う必要があるので、田舎や貧しい家庭の場合、
学校に通えず読み書きができないまま成人した人もいます。
科目について
幼稚園から英語を取り入れる学校もあり、小学校では日本語やマンダリン(中国語)を習う学校もあります。
私立の場合、狭い敷地の学校が多く、グランドは無いので体育の授業で走る時は学校の周りの公道を使ったりします。
跳び箱やマット運動をする習慣はなく、鉄棒も教わりません。
プールがある学校は稀なので、水泳の授業もありません。
でも宗教の時間があり、宗教ごとに集まってそれぞれの宗教を教わります。
また、新学期が始まっても、少しずつ教科書が配られるので、8月頃まではのんびりしたムードです。
‘‘生徒の人数が分かっているのだから用意しておけばいいのに‘‘と思うのは、日本のシステムに慣れているからかもしれません。
校則について
髪型の場合、小学生女子は、三つ編み1本か2本に、白と赤のリボン(または赤)を結ぶのが定番。
中学以降は、まとめてあればOKで、派手な飾りはNGですが、ピアスはOK。
男子は、耳に髪がかかってはいけない、襟足短く! 前髪眉毛より上、ロン毛禁止なので日本同様厳しい、
いえ、日本より厳しいかもしれません。
携帯電話は学校によりますが、授業中はもちろん使用禁止です。
スカートの場合ひざ下と決まっていますが短くする傾向は日本同様。
男子も細くスリムに変形させたものは不可ですが、出来るだけスリムにお直しをすることが流行っていたりしますが、
抜き打ち検査の時は折り曲げたスカートのウエスト部分を伸ばしたりして回避したりしますが、
イスラムの生徒は、足首まですっぽり隠れるロングスカートなので、宗教によって違う場合があるのも特徴的です。
コロナ以降の問題
オンライン学習が主流になったせいで、子供一人に1台のスマホかタブレットとが必須になりました。
小学生でまだ、スマホを買い与えていない場合、親のスマホを使わせる人もいて、オンラインの授業中、
親が自分のスマホを使用することができない状態という人もいます。
また、宿題は運動して入る子供の様子を撮影し、送ることで提出する仕組みなので親も前より負担が増したという愚痴も聞きます。
あとがき
これらの他に、学年の一斉テストの結果が名前、科目得点数の一覧が共有されたりプライバシーの概念自体も違い驚きましたが、
日本で進学した息子曰く、日本の学校はきちんとしているという印象だそうで日本と比べる事自体、
あまり意味がない事のような気もします。
因みに私の子供場合 2021年度11月現在
長男 私立幼稚園>私立小>公立中>IT専門高>日本の専門学校4年>日本で就職
長女 私立幼稚園>私立小>公立中・高校>公立大学4年卒
次男 私立幼稚園>私立小>公立中・高校>私立専門大学2年卒業
他に日本語の補習校にも通いました。